2011年8月3日水曜日

悲しくてやりきれない。(教育の現状)

うちの学校で唯一算数の指導をできていた先生が先週の金曜日で辞めてしまった。校長をしていたこともあるらしく、彼が校長をしていた時にJICAにコンタクトをとったらしいので私をこのチュークに呼んだ人だと言える。

二十数年にわたってこの学校で教鞭をとっていただけあって、彼の授業は魅力的でした。こちらの先生は教え方というのを学んでいないので、その点では彼も多く問題をかかえていましたが、彼の声やら仕草やらには子どもへの熱意が感じられたし、とりあえずベテランの先生の一人だったのです。彼は突然辞めてしまいました。誰にも相談せず、一人でこのサマースクールの間に決断し、誰にもそんなことを微塵も感じさせず、この週末に校長に直接辞めると伝えたそうです。

理由はやっぱりサラリー。いつまで待ってもあがらない給与にさすがに失望してしまったようです。このチュークでは公立の学校は機能していません。たとえば、私の住んでいるメッチティウにある小学校なんかは九時に始業して十時にはもう終業しているらしいです。しかも、雨が降った時は誰も先生がこないなんてのもざらです。この国は頻繁に雨がふっているので、この国の公立の学校は機能していないといっても過言ではありません。でも、そんな公立の先生はうちの学校(私立)より給料がいいのです。不思議でしょ、働いてないのに金をもらえる人がいるんですよ、どんな人なんでしょうね。しかもうちの学校が十分な給与を払えない理由は多くの生徒が授業料を納められないから。私立で生徒からの授業料の回収率が悪ければ先生に給与を支払える訳がありません。

親が金を持たない。
学費が払えない。
給与が支払えない。
先生が辞めていく。
子どもが育たない。
その子どもが大人になっても金を稼ぐ術がない。

この無限ループ。

ここはすごく小さな島。だから、血縁関係がすごく強く、多くの金は一部の力もってる人の所で回っています。金持ってるっていうとここではなんかとてつもなく汚いことをしているのが自分にとってのイメージです。何かあるたびに蜜を吸うのは上層部。
ほんで、その金持ってる一部の人間はこの国の教育レベルを知っているから子どもを国外の学校に行かしたりするのです。

いろんなことを書きましたが、今堕ちるだけ堕ちているこの国の行く先は明るいと信じようと思います。

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